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2021.09.05

ウッドショック!今後の見通しは??

まず初めに、ウッドショック?という方も多いかとおもいますので、

ウッドショックが起こった流れと住宅業界の現状について改めて説明させて頂きたいと思います。

ウッドショックとは?木材高騰が注文住宅に与える影響と注意すべきこと | HOME4U 家づくりのとびら

ウッドショック(昔のオイルショックから命名されたとか)の始まりは輸入用木材の不足が端を発しました。

日本の建築用木材の半分程度が輸入木材で占められているので、輸入木材が不足すると建築業界全体に影響が出てきます。

 

この木材不足の背景としては新型コロナの影響によるアメリカや中国の木材需要の急増が大きく関係しています。

例としてアメリカについて見てみると、新型コロナでリモートワークの普及や都市部に住む必要性が無くなった人が郊外に住宅を求めるようになった事、また経済政策による住宅ローンの低金利も重なり新築の住宅需要が急激に増えるようになりました。(アメリカではここ最近で住宅価格が5〜10%ほど上昇しています)

その結果、日本が買い付けていた輸入材がアメリカや中国に「買い負け」してしまう状態となり、輸入材の価格の高騰と木材不足の状況になってしまったんですね。

さらにはコンテナの世界的不足が発生し、海路輸送の日本よりも陸路輸送のアジア圏優先という状況も発生しました。

(現在はかなり解消されたようです。)

そして輸入材が不足してくると、代わりに国産材の需要が高まっていきます。

その結果、国産材も不足する事態となり、輸入材、国産材ともに価格が高騰して品薄になっているというのがウッドショックの現状です。(2021年9月現在)

ちなみに、家の価格の中で木材の締める割合というのはだいたい1割ほどで多くても2割くらいです。たとえば2,000万円の家とすれば木材の価格は200万円程。そして木材の価格が1.5倍に上がれば100万円ほど家の価格が上がるという感じになります。

(2021年9月現在は、ほぼ2倍にまで跳ね上がっています。)

ただ、住宅は多くの部材が必要で、様々な取引先から材料を仕入れており、一部の部材が入手しにくいというケースが多く見られ、住宅会社や工務店によって影響に違いはありますが、ウッドショックにより思ったように木材が手に入らないというのが現状です。

原因は? “ウッドショック”で品薄続く…世界的な“木材”高騰(2021年5月7日放送「news every.」より) - YouTube

では、ウッドショックは今後どうなっていくのでしょうか?

これは私が商社や取引先材木店等からの情報を集約した見解となりますが、

「10月からさらに価格高騰が起こり、3月まで高価格を継続。2022年4月から下落路線に入る」

というのが私の予想です。

 

2022年4月から価格が下がるという見込みの理由としては、北米の材木の先物価格下がり続けており、

9月現在ではウッドショックが騒がれ始めた昨年後半に近い水準まで戻ってきている点にあり。

ウッドショック 木材価格

材木の先物価格で言うと、ここ数年間は300〜400ドルくらいが一般的な水準だったので、

その辺りまで戻ってくると木材の価格も落ち着いたと言えそうです。

もちろん、材木先物の価格で家を建てる木材の価格が決まるわけではありませんし、

日本に影響が出るまでタイムラグもありますが、ウッドショックの現状を見る1つの基準として信頼できる数値となります。

 

ではそのタイムラグですが、約6カ月後に日本に影響が出てくると言われています。

つまり、上のグラフを見ると北米の5月の最高値の木材が11月頃に日本市場に出回り、

9月頃のウッドショック前の価格が日本市場に出回るのは2022年4月頃という事になります。

(ただ、今回のウッドショックは日本のこれまでの木材価格が安すぎたという側面があるので、木材の適正価格はウッドショック前の水準より少し高いくらいで落ち着くことになる可能性が高いです)

 

過去にも住宅業界では大震災による工場の被災や昨年の新型コロナによる輸入品の遅れといった問題がありましたが、

多くは関係者の様々な努力により落ち着きを取り戻していきました。

今回もなんとか乗り切る事が出来ればと思います。

住宅業界の皆さま、頑張りましょう!